(更新日:2024.4.24)
気軽で便利な言葉ですが、「なんでも相談してください」と利用者・家族に声をかけるケアマネジャーがいます。(過去の私です)
更に、ケアマネジャーを紹介する病院や包括支援センターも「ケアマネジャーになんでも相談してください」とおっしゃる方も少なくありません。
「なんでも相談してください」は、とても安心できる言葉ですが、利用者・家族の期待度を大きく上げ、期待を裏切り続けるので控えた方がいい言葉。
こんにちは、ケアマネジャー歴11年のまさたけ(@masa_take14)です。
当ブログでは、ケアマネジャーを始めたい方、始めたばかりの方向けのコンテンツを発信しております。
この記事では、「なんでも相談してください」が危険な言葉である理由と、それに代わる言葉を紹介します。
- ケアマネジャーの役割は?
- 「なんでも相談してください」で、こんな相談を受けました。
- 「なんでも相談してください」は、誰も”得”しない。
- 「契約書」に書いてある”仕事内容”を説明しよう。
- 「餅は餅屋へ。」ケアマネジャーは専門家への橋渡しを。
- 「なんでも相談してください」は抽象的すぎる。もう少し具体的に。
ケアマネジャーの役割は?
「なんでも屋」と思われがちなケアマネジャーですが、実は仕事内容が限定された職種。とはいえ、介護保険以外の相談も来るのも事実で、そのことが原因でケアマネジャーの業務負担が大きくなっています。
「なんでも相談してください」で、こんな相談を受けました。
「なんでも相談してください」の”なんでも”と聞いた家族は、身の回りのことすべてを相談されます。(そりゃそうだ。利用者には悪気はない。)
「医療保険」のこと、「障害者手帳」のこと、「お金」のこと。(この辺は許容範囲)
「税金」・「リフォームの補助金」・「不動産」....。(この辺りになると、「知らんがな」ってなる)
生活における”なんでも”は、介護保険の知識だけでは対応できないコトばかりなんですよね。
「なんでも相談してください」は、誰も”得”しない。
そう考えると、「なんでも相談してください」と言うケアマネジャーは、利用者・家族にとって期待外れのケアマネジャーへと転落していきます。(ハードルを上げると痛い目を見る)
とっても親切な言葉ですが、実は自分自身(ケアマネジャー)の信頼を失っていく恐ろしい言葉で、誰1人得しない言葉なので要注意です。
利用者・家族から「期待外れなケアマネジャー」と思われる。
「なんでも相談してください」と言われるから、とりあえずケアマネジャーに相談...。だけと、利用者・家族の期待通りに対応ができません。(だってケアマネジャーは介護保険の専門家だから)
そういう事が続くと、「ケアマネジャーに聞いても何も解決してくれない」と信頼を失い、介護保険の相談も頂けない状況に陥るかもしれません。
そうなれば、本末転倒。ケアマネジャーがケアマネジャーの仕事をできなくなります。
ケアマネジャーの本業が疎かになる。
また、何でも相談を受けてしまっているケアマネジャーは、担当している利用者・家族全員から、相談が次々と舞い込みます。
そうなればケアマネジャーの負担が大きくなり、本業であるケアマネジメントに手が回らない。そんな状況に陥ります。
「契約書」に書いてある”仕事内容”を説明しよう。
とはいえ、利用者・家族に色んな相談があった時に断れない方もいらっしゃいますよね。そんな時には「契約書」を見直しましょう。
「契約書」には、ケアマネジャーの仕事範囲が書かれています。
個人の判断ではなく、会社としてケアマネジャーの仕事を示している便利な「契約書」は、利用者・家族とケアマネジャーの共通認識の道具として、改めて説明しておくのも方法の1つ。
「餅は餅屋へ。」ケアマネジャーは専門家への橋渡しを。
とはいえ、ケアマネジャーの仕事を限定して「そんなん、知らんがな」精神では、利用者・家族の生活を支える事、信頼関係は築けません。
利用者・家族の生活を支えるために、ケアマネジャーの調整スキルを使い、専門家への橋渡し、又は、問い合わせ先の助言をしてもいいのでは?と思います。
(荷が重くならない程度に。)
その為には、広く・浅い知識が必要。このあたりは、経験と共についていきます。(新人の方は、先輩ケアマネジャーを頼ろう)
「なんでも相談してください」は抽象的すぎる。もう少し具体的に。
ケアマネジャー1人の労力には限界があります。そう考えると、「なんでも相談してください」で業務負担が多くなり、本業であるケアマネジメントが疎かになることは容易に想像できます。
介護保険のコトだけ。と限定するのは難しいことですが、利用者・家族の期待を裏切らないように、ケアマネジャーの役割について説明してく必要があります。
ケアマネジャー歴11年が最初に声をかける言葉は『生活で困ったことがあれば、教えてください。介護保険でできる事があれば、提案します。』
少し長いですが、抽象的すぎない、具体的すぎない声掛けが必要です。
ではまた。