ケアマネジャーは、相談役のため傾聴が必要です。寄り添って話を聞くことは大切ですが、寄り添いすぎるとケアマネジャーが精神的に辛くなるのも事実。
ケアマネジャーを続けるには、利用者・家族の寄り添いながらも、気持ち(感情)を振り回されないための”考え方”が必要になります。
その考え方とは、アドラー心理学で有名な「課題の分離」です。
ケアマネジャー歴10年のまさたけです。
当ブログでは、ケアマネジャーを始めたい方、始めたばかりの方向けのコンテンツを発信しております。
この記事では、利用者・家族の気持ちに寄り添いすぎて疲れたケアマネジャーが、利用者・家族に寄り添いながらも、気持ち(感情)を振り回されないための考え方ができる、「課題の分離」について解説していきます。
- 「課題」とは?
- 自分の”課題”だけを考える。「課題を分離」しよう。
- ケアマネジャーの課題は、相談対応とサービスの提案。
- 利用者・家族の課題は相談をして、決断すること。
- ケアマネジャーと、利用者・家族の課題を分離する。
- とはいえ、周りの目が気になる人へ。第3者の課題も知っておこう。
- 「課題の分離」をして、元気にケアマネジャーを続けよう!
「課題」とは?
そもそも、「課題」とは何か?とはっきりさせておくために、下記の内容を引用します。
課題とは、解決するべき問題のこと。対処が必要な事柄であり、それへの対処を任務として負わされているような問題のこと。
引用:weblio
自分の”課題”だけを考える。「課題を分離」しよう。
気持ち(感情)を振り回されないためには、「その課題は誰の課題なのか?」をはっきりさせましょう。
この考え方は「嫌われる勇気」に明記されているアドラー心理学の考え方。
誰の課題なのかを区別することで、”課題を分離”ができます。
そもそも、その人の課題はその人しか責任を取れません。なのでその人の課題には立ち入ることができない。コレがアドラーの考え方です。
そう考えると、利用者・家族の”課題の責任”は、利用者・家族にしか取ることができません。
その責任を背負うから、ケアマネジャーが辛くなり仕事が終わっても頭から離れなくなります。
例えば、
- デイサービスに行った方が困ったことの解決になるから、利用者に提案。
- その提案対して断る利用者・家族。
- 何度もデイサービスに誘い、利用者との関係が悪くなる。
「課題の分離」ができていないと、いい結果を招きません。
利用者・家族がデイサービスに行かない選択をした場合、その結果の責任は利用者・家族にしか取れないのです。
(冷たい人と思われるかもしれませんが...)
ケアマネジャーの課題は、相談対応とサービスの提案。
ケアマネジャーの課題は、利用者からの相談を受け、課題解決のために専門的な視点から助言と、サービスの提案、その効果を説明します。
”ケアマネジャーの課題”は、これ以上でも、以下でもありません。
例えば、筋力低下により自宅でお風呂が困難。という利用者にデイサービス又は、デイケアの紹介をします。(活動量向上・安全な入浴のため)
この提案を受けて、どう判断するかは利用者の課題になります。
利用者・家族の課題は相談をして、決断すること。
利用者・家族の課題は、現在困っていることをケアマネジャーへ相談こと。
そして、ケアマネジャーからの助言・サービスの提案に対して判断することです。
介護保険制度は、選択の自由があるため、決定権は利用者・家族にあります。
先程の例でいうと、ケアマネジャーの提案(デイサービス・デイケア)を受け入れない判断に対して、代替え案を提案するまではいいですが、行かない判断に対して、ケアマネジャーがどうこう言うのは、利用者・家族の課題に踏み込んでることになります。
(迷っている場合は、背中を押します。)
熱心なケアマネジャーと感じていただければいいですが、しつこいケアマネジャーと感じられると、その後の支援に差し支えることも。
ケアマネジャーと、利用者・家族の課題を分離する。
ということで、
- ケアマネジャーの課題:相談を受けてサービスの提案をすること。
- 利用者・家族の課題:提案を受けて選択すること。
で、分けました。
ケアマネジャーが、課題の分離をしないまま支援を行うと、利用者・家族の課題に踏み込みすぎて、関係悪化や、精神的に疲弊することになります。
「デイサービスに行って運動した方がいいのに行かない。」
こんなコト日常茶飯事ですよね(笑)
課題の分離ができていないと、訪問の度にデイサービスへ誘い、断られたケアマネジャーが勝手にモヤモヤする。
更には、「行ったほうがいいのに!」と、腹をたてることも。(コレ、過去の私です)
ケアマネジャーの提案に対して、利用者・家族が行う、”断る”判断は尊重し、ケアマネジャーは代替え案を再提案。
その再提案も”断る”判断をした場合も、その判断を尊重するべきです。
その判断を行ったのは、利用者・家族。その責任を負えるのも利用者・家族なのです。
(ケアマネジャーの責任に、なり得ない)
とはいえ、周りの目が気になる人へ。第3者の課題も知っておこう。
ケアマネジャーの仕事をしていると、利用者・家族のみならず、サービス事業所や病院など、様々な職種の方と関わりますよね。そこで気になるのが第3者の目。
ケアマネジャーの仕事ぶりを第3者からの”評価”があるのも事実です。
「課題の分離ができないままの支援」を行うと、”熱心なケアマネジャー”と見られたり、”お節介”と見られることも。
「課題の分離ができている支援」を行うと、”利用者の意向を尊重している。”と見られたり、”薄情だ”。と見られたりすることもあります。
この”評価すること”は、第3者の課題です。
第3者の課題まで考えると、それもまた辛くなり、正しい判断ができなくなります。
ですが、この課題を分離しておくと、気が楽になります。
私は、この評価を気にしないことにしています。
この評価は、ただの感情です。(勝手に評価したらいい(笑))何をしたって、第3者の色んな評価がつきまといます。
その評価に振り回されると、ケアマネジャーの支援は、冷静な判断が必要です。
第3者のの”評価は気にせず”、”意見にだけ耳を傾ける”ことでいい支援ができるようになります。
「課題の分離」をして、元気にケアマネジャーを続けよう!
10年たった今でも、時々ですが「課題を分離」することが上手くできずに、モヤモヤすることもあります。
ですが、「課題の分離」を行うことで、ある程度のことはプライベートに持ち込まないようになり、元気にケアマネジャーを続けることができてます。
「課題の分離」を行うことで、利用者・家族との人間関係を良好に保ち、寄り添いながらケアマネジメントを行うことができますよ!
ではまた。